「ChatGPTで、うちの店のことを答えてくれるボットが作れるらしい」という話を、お店の方から聞くことが増えました。営業時間や駐車場のことを毎日何度も電話で聞かれるので、それをAIに任せられないか、という相談です。
正直に言うと、この記事はもともと「GPTsの作り方」として書く予定でした。ところが、書く前にOpenAIのヘルプセンターを確かめたところ、状況が変わっていました。2026年10月時点で、個人向けのプランでは新しいGPTを作れなくなっていて、カスタムGPTそのものも2026年12月11日に終了する予定、という案内が出ています。後継のしくみ(プラグイン)も案内されていますが、お店の方が今すぐ使えるものではないので、この記事では触れません。日程や内容は今後も変わることがあります。
それなら書く意味がないかというと、そうでもないと考えています。GPTsで相談ボットを作った方がつまずいたところと、うまくいったところは、道具が何に変わっても同じだからです。この記事では、GPTsがどういうものだったかを短く振り返ったうえで、相談ボットにできたこと・できなかったこと、そして道具が変わっても残る準備を3つご紹介します。
GPTsとは何だったか
GPTsは、ChatGPTに「こういう役で、こう答えてください」という指示文と、お店の説明やメニューなどの資料を渡して保存しておくと、その設定のまま動く専用のChatGPTが作れるしくみです。プログラムは書きません。作ったものはリンクで人に渡せますし、公開の場(GPTストア)に出すこともできました。たとえば「〇〇食堂の案内係」と名前を付けて、営業時間・場所・メニュー・よくある質問の資料を渡しておけば、お客様の質問にその資料をもとに答えてくれる、というものです。
2026年10月時点の状況
OpenAIのヘルプセンターの案内では、個人向けプランでの新しいGPTの作成と公開はできなくなっていて、すでに作ってあるGPTは終了日まで使えるとされています。法人向けのプランでも、カスタムGPTは終了に向けて「プラグイン」へ移していく予定です。これから新しく作ろうとしていた方は、別の道具を考えることになります。
相談ボットにできたこと・できなかったこと
できたこと
渡した資料に書いてあることなら、聞き方が多少ちがっても答えられます。「何時までやってますか」「ラストオーダーは?」「夜は何時に閉まる?」は全部、営業時間の話だと分かって答えます。キーワードがぴったり一致しないと返せない昔ながらの自動応答とは、ここが大きく違いました。言い方をやわらかくする、短くまとめる、といったことも得意です。
できなかったこと
- 予約の確定とお金のやりとり。ボットは席の空きも予約台帳も知らないので、「土曜の19時、空いています」とは言えません。外のシステムとつなぐしくみはありましたが、作るには開発の知識が要ります
- 間違わないこと。ChatGPTの画面にも「間違うことがある」という注意書きがあります。資料にないことを聞かれると、それらしい答えを作ってしまうことがあります
- 資料の古さを見分けること。値段が変わっても、渡した資料が古いままなら古い値段で答えます
つまり、ボットが上手に答えられるかどうかは、AIの賢さより、渡した資料の中身で決まっていました。これは次に何の道具を使っても変わらないところです。
道具が変わっても残る3つの準備
1. 答えの元になる事実を、1枚にまとめる
住所、営業時間と定休日、ラストオーダー、メニューと値段、支払い方法、駐車場の台数、子ども連れの可否、予約の受け方。お客様から電話で聞かれることを、1枚の紙かファイルに書き出します。ホームページに載せている内容と同じにして、「2026年10月時点」のように日付を入れておきます。値段を変えたら、ホームページとこの1枚を同じ日に直す。古い値段を言う原因の多くは、これで消えます。
2. 聞かれる質問と答えを、電話で聞かれる順に書き出す
「予約なしでも入れますか」「個室はありますか」「アレルギーの対応はできますか」。実際に聞かれる言葉のまま質問を書き、答えは最初の1文で結論を言います。「はい、4名までの個室が1つあります。」のような形です。この一覧は、ボットに渡す資料になるだけでなく、ホームページのよくある質問にもそのまま使えます。
3. ボットに答えさせないことを決め、人につなぐ文を用意する
予約の確定、苦情、アレルギーのように体に関わること。この3つは、ボットには答えさせず、「予約はお電話(番号)でお受けしています」「担当の者が折り返しますので、お名前とお電話番号をお知らせください」と人につなぐ文を決めておきます。ボットが一番困るのは、答えられない質問に何か言おうとするときです。先に「言わないこと」を決めておくと、その困り方が減ります。
今から試すなら
GPTsが使えなくても、上の1と2で作った資料をChatGPTの画面に貼って、「このお店の案内係として、この資料にあることだけ答えてください」と頼むだけで、ボットがどう答えるか、どこで間違えそうかは十分に分かります。資料にないことをわざと聞いてみると、作り話をするか、「分かりません」と言えるかも確かめられます。まずはそこから試して、「これをお客様が実際に使う場所に置きたい」となったら、LINE公式アカウントのように、お客様がすでに使っている場所に入れる方法を考えるのが近道です。次の記事(LINE公式アカウントの自動応答)で書きます。
弊社は、ホームページの制作とあわせて、AIを使った業務のしくみづくりのご相談も承っています。何の道具を選ぶか決まっていない段階でも、入り口は上の3つの準備から。お店の方がご自身で書き出しても、半日ほどで1枚目は形になることが多いです。書き出したものを見せていただければ、そこから先はご相談で。
ホームページのご相談はイトへ
これからホームページを作りたい方、AIを使った更新やAI検索への準備について知りたい方は、お気軽にイトにご相談ください。LINE、お問い合わせフォーム、お電話(03-6822-5806/平日10時〜18時)で承っております。